落ち着きのない子と多動症候群
乳幼児期からよく動き、不機嫌になりやすい赤ちゃんだったという子から、ほとんど手がかからなかったという子までいろいろです。
しかし、大体において、歩き始めのころからそのおかしさにお母さんたちは気付き始めます。
危険なことをしようとして「だめ!」と声をかけても行動がとまらず、まずこの子は耳が聞こえてないのでは
と疑ったりします。お母さんと一緒に落ち着いて遊んだり、食事をしたりということがなかなかできません。
自分で勝手に遊んでいる分にはいいのですが、他の遊びを誘いかけてもまったく応じようとしなかったり、他の子供への関心がうすかったりと、
育児にはとても気を使います。 また、自分の意に沿わないことがあると大騒ぎをしてしまいます。
「多動症候群」って知ってますか?
いつも目まぐるしく動きまわり心配になるほど落ち着かない・・・
そういった子供たちが増えています。 ■「落ち着きがない子」の5つのタイプ
「落ち着きのなさ」や「多動」を引き起こす、子供のタイプと原因はさまざまです。
大きくは次のタイプに分けられると思いますが、その程度もさまざまで、これらの要因が重なっている場合
もあります。 1.「落ち着きのなさ」個性と考えているタイプ
落ち着きがなく、やや気が散りやすいは他は大きな問題がない子ども。
2.まわりの環境によるところが大きいタイプ 生活のリズムが不規則だったり、あまりにも周囲があわただしかったり、また情緒が不安定になるような家庭環境にいる子ども。
3.精神発達の遅れがあるタイプ そのために実際の年齢にくらべ、落ち着かない子ども。
4.自閉症の子ども 自閉傾向のある子どもも、幼児期は落ち着きのなさが目立ちます。呼んでも振り向かず、一見無目的に動き回ります。
5.いわゆる「多動症候群」の子ども 多動やその他の問題があって、日常生活に支障をきたしたり、まわりのものを困惑させるような状態の子ども
を、このようなパターンにあてはめたりします。子どもがどのようなタイプか、また何がその行動を引き起こす要因になっているなかを理解することは、子どもにどう対応していくかを考える上で、たいへん役に立つか
らです。程度によっては1.のように個性と言える場合もあります。
■なぜ多動症候群になるの? 多くの因子が関係していると考えられますが、残念ながらまだはっきりとは解明されていません。 考えられる要因としては次の通
りです。 ●第1は要因(生まれつきの体質)
しばしば家族のだれか(多くは男性)に、子どものころに似た行動パターンをとっていた人がいたという
例も少なくありません。 この場合、それらの人たちの現在の状態から、子どもの経過がある程度予想できます。
たとえば、小さいときはたいへん落ち着きがなかったけれども、今は社会のなかでしっかり仕事をしている
---というお父さんがいる場合、そのお父さんも大きくなれば心配はなくなるだろうと予想できます。
(ただし、多動に遺伝がどのくらい関係しているかはよく解っていません。)
●第2は要因(何らかの脳の障害、あるいは発達障害が基礎にあるという説)
脳の神経の情報を伝える物質で、特にモノアミンといわれる物質が関係する神経系に異常があるのではないか、または脳の中の視床下部、前頭葉というところに障害があるのではないか、
との説ですが、十分な証拠は得られていません。 ●第3は要因(家庭や学校の状況、友だち関係などの子どもを取り巻く環境が
原因なのではないかという考え方) これは原因というより、症状の出方や経過に影響を与える修飾因子であると考えたほうが妥当と思われます。
その他、アレルギー反応、鉛、食品添加物が原因としてあげられていますが承認されていません。
しかし、アレルギーが関係する痒みや鼻炎、鼻詰まりによる不快や、それによる睡眠障害が続いていると
、注意が集中できない状態や情緒が不安定な状態になることがあり、やはり修飾因子としての作用が考えられます。
|本のご紹介| ※参考文献 すずき出版 落ち着きのない子どもたち多動症候群への理解と対応
著者 石崎朝世
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